夏色の恋【完】
「せっかくだしねっ」


そう言う麻衣の手には私の携帯があって、よく見ると裏に例のプリクラが貼ってあった。


「ちょ、ちょっと!何してんの!?」

「いいじゃないですか!なんか里緒菜さんぽくなくて可愛いし」

「いや…、だから…」

「それに…、ここに写ってる北斗、楽しそう…」


もう片手に持っているプリクラを見つめて、麻衣が呟いた。


「どこが!これなんか、ふてくされてるし。こっちはケンカしてるし…」


麻衣の横で指差しながら説明する。


そこに写ってる北斗は、全然笑ってなんていない。


「あの子、文句ばっかり言って…。ホント子供…」


私はため息をついた。
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