夏色の恋【完】
注文してしばらくすると、頼んだ料理がテーブルに並べられた。


久しぶりの麻衣との食事。

誰かとこうやって食事するのも久しぶりだった。


「そういえば、さっきのって暴走族?」


国道を走る騒音とライトを思い出し、ハンバーグを食べながら窓の外を見た。

「あぁ、あれね…。そうですよ」

「すごいね。まだいるんだ…」

「昭和みたいでしょ?」


麻衣は笑って言った。


「誰が昭和だって!?」


突然の上からの声に2人で顔を上げると、テーブルの横に男の子が立っていた。


「海じゃん!どうしたの?」

「どうしたって、姉ちゃんこそ何してんだよ」

「お姉ちゃんは見ての通りご飯よ」

「ふーん…。で、こちらのキレイなお姉さんは?」

「里緒菜さんよ」
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