夏色の恋【完】
夕方になって、

海くんは「オレ、明日の朝食うから!」


と言って出て行き、麻衣も仕事に出掛けた。



それから、しばらくして北斗が帰って来たので、


「カレー、食べる?」


と聞くと、


「何?作ったの?」


と驚いたように私に言った。


「麻衣が、ね」

「あぁ、麻衣ちゃんね」


そう言うとチラッと私を見て、


「料理なんて出来そうにねぇもんな…」


とイヤミっぽく呟いた。


少し腹が立って何か言い返そうかと思ったけど、実際料理なんてできないので、おとなしく黙ってカレーを温めた。



2人だけしかいないリビングは静かで、黙って食べているとスプーンがお皿に当たる音だけが響く。


黙々と食べている北斗を見ていると、昨日麻衣が言っていた話を思い出した。
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