夏色の恋【完】
私は、北斗が何を言ったのかすぐに理解できなくて、しばらく黙っていたけど、


「は!?な、何言ってんの!?」


驚いて言った。


「だから、付き合おう。オレら」


「おもしろい冗談言うのね」


私は笑った。


「冗談じゃねぇし…」


何を言い出すのかと思ったら、くだらない冗談だった。


しかも『好きなんだけど』とかっていう告白でもなくて、突然の『付き合おう』って言葉がおもしろくて笑った。



「笑ってんじゃねぇよ」

「だって…」


北斗はそう言ったけど、やっぱりおかしくて、


「あんた、ホント変な子ね」


その言葉しか出てこなかった。



「だいたいね…」


私には彼氏がいるし、と話を切り出すと、


「別れりゃいいだろ…。長谷川と」


今度は勝手なことを言い出した。
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