夏色の恋【完】
「なんであんたにそんなこと…。バッカじゃないの?」


本当に何を言うのかと、呆れて北斗を見た。


「冗談もいい加減にしなさいよね」


少し腹が立ってそう言うと、


「本気だから」


有り得ないくらい真剣に北斗が言った。



あまりに真っすぐな目にどうしていいのかわからなくて、


「子供のくせに」とか、
「大人をからかっちゃダメよ」とか言ってみたけど、それ以上言葉が出てこなかった。




「ここにいる1ヶ月だけね」



期限を決めて、私は北斗の“彼女”になった。
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