夏色の恋【完】
その日の夜、ちょっとイヤミっぽく、


「あんた笑えんのね」


と言うと北斗は、


「妬いてんの?」


とかわいくない言葉を返してきた。


「なんで私が…」


と言いかけた時、私の携帯が鳴った。


携帯を見て気まずそうにしている私に、


「出たら?」


と北斗が言うので、私は少し離れて電話に出た。


『何してた?』


いつも通り、優しい声の長谷川さん。


「テレビ見てた」


私は適当に答えて、5分くらい話をして電話を切った。



「長谷川、元気だった?」


少し不機嫌そうに言う北斗。


そんな北斗がかわいく思えて、


「妬いてんの?」


私はチラッと横目で見て言った。
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