夏色の恋【完】
「どうも。こんばんはッス」


突然現れた少年は、どうやら麻衣の弟らしい。


よく見ると、二重の大きな目が麻衣に似てる。


「コイツ、弟の海。昭和の仲間なんですよ」


麻衣はそう言って笑った。

「へぇ…」


昭和の仲間…。

昭和の…。


私は少し考えて、


「あ、そうなんだ…」


麻衣の言葉の意味がわかって、つい笑ってしまった。


「失礼だよなー。ま、いいけどさ…」


海くんはそう言いながら麻衣の横に座り、メニューをめくりだした。


「ちょっと!何してんの!?」


麻衣は驚いた顔をして海くんを見る。


「ご飯、食べさせて。明日死んじゃうかもしんないし」

「はぁ!?あんたねぇ!」


兄弟喧嘩が始まりそうだったので、


「いいんじゃない?」


と、海くんを助けておいた。
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