夏色の恋【完】
しばらく歩いて立ち止まり、


「歩きにくい…」


と北斗は独り言のように呟いた。


そして肩から手を離して、私の手を握ってまた歩く。


「あの……」


真也のことを話そうと思い、小さく声を出すと、


「迷子になってんじゃねぇよ」


と、何もなかったかのように北斗が言った。


そして、私をチラッと横目で見て、


「その派手な服、役に立ったな」


と少し笑った。
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