夏色の恋【完】
家に帰って、リビングのソファーに北斗と並んで座ってテレビをつけた。


見たい番組なんてなかったけど、静かな部屋が気まずくて、とりあえずつけておいた。


お互い何も話さなくて、私はぼんやりとニュース番組を見ながら、色んなことを考えていた。


さっきの、真也とのことを話すべきなのかと悩んだ。


北斗は真也と顔見知りだったようだし、もしかしたら何か知っているかもしれない。


そう思うと、どこまで話していいのかわからなかった。


できれば何も知られたくない。


昔のことなんて、もう思い出したくない。



でも、北斗はどうして何も聞いてこないんだろう。


知られたくないという思いとは裏腹に、そんなことを考える。



気を遣って聞いてこないんだろうか。


それとも、興味がないから気にならないんだろうか。



さっき真也に『オレの女』なんて言ったのに、北斗の考えてることはイマイチよくわからない。
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