夏色の恋【完】
そんな北斗と私のやり取りを見ていた海くんは笑って、


「仲いいっスね」


と微笑んだ。


「どこが!?」


私達は口を揃えて叫ぶ。


「ほら、ラブラブじゃないっスか…」


海くんに言われて、なんだか恥ずかしくなって、


「バ、バイトは?」


焦って北斗に話し掛けた。


「休み」


私と違って、落ち着いて答える北斗。


余裕ぶった態度に少し悔しく思っていると、


「じゃあ、今日はデートっスね」


海くんに満面の笑顔で言われた。



「し、しないっ。デ、デートなんて。しない、しない」

「そんな否定しなくても…」

「ホントおもしれぇ」


苦笑いをする海くんと、バカにしたように笑う北斗。


恥ずかしいを通り越して、情けなくなった。
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