夏色の恋【完】
「何、勝手なことしてんの!里緒菜さん、なんかすみません…」

「いいじゃん、いいじゃん!大勢のが楽しいし」


私の代わりに海くんが答えると、


「海に言ってないし!」


と、麻衣が海くんの頭を殴った。


「いってぇ…。何すんだよ!」


軽い兄弟喧嘩が始まったけど、楽しそうだったので今度はそっとしておくことにした。


「お姉さんもキャバ嬢?」


目の前で言い合いしている2人を眺めていると、隣に座っている彼が口を開いた。


「元キャバ嬢」

「へぇ…。辞めたんだ?」

「そう」

「今は何やってんの?受付嬢とか?」


「愛人」
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