夏色の恋【完】
「行けばいんだろ?でも、すぐ帰るからな」


“子供みたい”と言われて悔しかったのか、投げやりに言ってふてくされた。


そして、


「早く用意しろよ」


とリビングを出て行った。



そんな北斗の姿を見て、私と麻衣は顔を見合わせて笑った。



「北斗、なんか変わりましたね」

「そう?」

「里緒菜さんも…」


微笑む麻衣を見て、どこか変わったんだろうかと考えて込んだ。


黙っている私に、


「2人とも楽しそう」


そう言って、また微笑んだ。


「2人を見てると麻衣も楽しいし…。でも…」


そして今度は少し寂しそうな表情を浮かべて、


「里緒菜さん、あと10日くらいで帰っちゃうんですよね……」


小さな声で呟いた。
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