夏色の恋【完】

愛しい

私と北斗は海に向かっていた。


21歳にもなって、原付の後ろに乗せられて…。


出発する前、


「この歳で2人乗り!?」


と文句を言った私。


「別に行かなくてもいいんだけど?」


そう言って北斗が横目で見るので、私はおとなしく乗ることにした。



でも、何年ぶりかの原付は思ったより楽しくて、あっという間に海に着いた。



海ではいくつかのグループがバーベキューをしていて、私と北斗は海くんを探しながら砂浜を歩いた。



「あ、いた」


北斗が指差す方向を見ると海くんがいて、男の子と女の子が楽しそうにしていた。


近づいて行くと、私達に気づいた海くんが笑顔で手を振る。


そんな海くんを見た女の子がこっちを見て、


「あ、北斗じゃん!」

「すごーい!北斗が来るなんて珍しいね」

「北斗ー!」


と、キャーキャー言いながら北斗を取り囲んだ。
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