夏色の恋【完】
「あ……」


花火大会の時に会った人だと思い声を出すと、その人も気づいたみたいで、


「あぁ!北斗の女じゃん!」


私を見てそう言った。


「えぇ!?マジで?北斗の女!?」


私の顔を覗き込んでいた人が、驚いた様子で言うと、近くにいた女の子達が一斉に私を見た。


そして口々に、


「北斗の彼女だって」

「マジで?」

「彼女いたの?」

「年上じゃん?」


そう言いながら、チラチラと私を見る。


少し離れた場所で、北斗の周りを取り囲んでいた女の子達も、それに気づいて私を見た。



私を見る女の子達の視線が痛くて、どうしていいのかわからなかった。


そんな私に気づいた海くんが、


「里緒菜さん…」


と声を掛けようとしてくれたけど、


「里緒菜ちゃんっていうんだ」


前にいた人が、私の肩に手を回した。
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