夏色の恋【完】
そして、


「北斗みたいなガキやめて、オレと付き合わない?」


ニヤッと笑いながら言う。


「いえ…。あの…」


困って『やめて下さい』と言おうとした時、


「功希さん、やめてもらえますか?」


いつの間にか私達の元へ来ていた、北斗が低い声でそう言った。


「オレの女なんで」

「わかってるって。冗談だよ」


その人は私の肩から手を離すと、少し笑った。


そんな私達を見て、女の子達がまた何かヒソヒソ言っているのが聞こえた。


北斗と同じ歳くらいの女の子。


その子達と自分を比べて、16歳の北斗と私じゃやっぱりおかしいよね…、なんて今更ながら思った。


そう思うと女の子達の視線が余計に痛く感じる。



来るんじゃなかった、と少し後悔した。
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