夏色の恋【完】

北斗の気持ち

北斗と海くんは昨日の夜から帰って来なくて、麻衣は仕事が休みだというので、2人で買い物に出掛けた。



いつもより少し地味めのワンピースを選んだ私に、


「なんか、里緒菜さんらしくない…」


と麻衣は言った。


確かに私らしくない服。


北斗に『派手』だと言われたらか、いつもと違うデザインを選んだ私。


かと言って、自分の服の趣味を変えるなんてどうかしてるかも…、と思った。


「やっぱ、変かな?」


試着室から出て来て呟くと、


「らしくないけど、似合ってますよ」


麻衣は微笑みながら、そう言ってくれた。




“らしくない”のは服じゃなくて私自身。


服を選びながら、頭の中に北斗の顔が浮かんでくる、そんな私。
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