夕暮れ

泣きまくって

叫びまくって


そして

ただ呆然と立っていた






「君…何してるの?」


その声で我に返った



見ると
横に大きなワンボックスカーが停まっていた


少しパーマをかけた
20代くらいの男の人が乗っていた


「え?」

私が間の抜けた返事をすると


「こんなところで何してるの?傘ないなら乗せてあげるよ?」

やさしく微笑みながら
そういってきた



「いいです。ホラ…濡れてるし、家近くなので」



「大丈夫だよ。乗りなよ」


何度断っても
大丈夫
と言ってくるので

軽い気持ちで乗ってしまった




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