夕暮れ
昇と下駄箱にいると

担任が走ってきた


「朝から説教でもするのかよ…めんどくせぇ。。」


そうつぶやいていたら


何やら慌てた様子で

息を切らしていたので

急いできたことは
容易に想像できた。




「何か違う用事だな…」

昇も横でそう言った。




「こうっだっ!滝川!源川 陽菜知らないか?」


走りながら
俺の名前を呼んだものだから
何とも語尾の短い変な呼び方になっている



でも
急いでいるようだったので

細かいことは
スルーしておこう・・・。


「どうしたんですか?陽菜がなにか?」

俺が聞くと


「今親御さんから連絡があって、金曜の朝学校を出たきり家にかえらなくて連絡が無いそうなんだ。」


「金曜の午後はうちに少し顔を出しましたが、すぐに帰りましたよ。」

昇は冷静に受け答えする。

「ずっと連絡ないんですか?」


「あ・・・いや、金曜の晩に、『今日と明日は友達のところに泊まる』って連絡があったそうなんだが、それっきり連絡が無いそうなんだ。」


担任は
鼻を擦りながら話す


これは癖だ。



何かを隠そうとしているときの癖




担任が
この先生になったばかりの頃
昇が教えてくれた


「それで?誰も見た人とか会った人とかいないのですか?」

昇は
鋭い質問を投げかけた


「あ…いや、一応は何人か同じ事言ってる生徒がいるにはいるんだ」

そう言いながら
また鼻を擦る。


「知ってるなら教えてください。」

俺が前に出て言うと
横にいた昇が
少しムッとした顔をした




なんか・・・
やりずらいんですけど…


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