夕暮れ
朝の資料室は
少しひんやりしていた
机に腰をかける
「猛…陽菜の事ほんとに好きなんだな」
扉を閉めながら
昇は少しうつむき加減に言った。
「いや…ちょっとショックが大きかっただけ…」
俺がかろうじて答えると
昇は
優しく俺を
抱きしめてきた
「俺も…ショック大きかったぞ。猛が荒れてる時…。」
ああ
そうか
昇は
もしかしたら
ほんとに俺のこと…
男に慰められてる自分が
少し情けなく感じつつ
昇が近くにいて良かったと
安心する自分がいた。