夕暮れ
猛…

そんな心配そうな顔で

陽菜の姿を追わないでくれ




胸が苦しい






「とりあえず心配するようなことは何もなかったみたいだな」

平静を保って

猛の方を

ポンっと叩きながら

話しかけた



「うん。でも、女子が言ってたのは本当かもしれない」

猛は険しい顔をしていた


「何で?」

「昇見えなかったか?」

「え?」

「陽菜の首元や太ももにたくさんついてたろ?」

「何が?」


俺が聞き返すと
少し間があいた






「キスマーク」



全然気がつかなかった。

第一…
おれ…
猛しか見てなかったし。



チラッと
猛をみると


猛は
陽菜の背中に
何かを問いかけている


そんな風に見えた。





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