夕暮れ
「なぁ・・。昇。」


「ん?」


「恋の終わりって、夕暮れみたいだな」


「んん?」


「もう消えてなくなりそうのに、どこか少しだけ、ほんのり赤く照らすだろ」


「ああ。」


昇も空を見ていた。


「まだは陽菜を想う気持ちも、どこかにあると思う。でもこの恋は終わったんだ。時期に俺の心も真っ暗で何もなくなるんだな」

陽菜を

あきらめる辛さで

言ったわけではない


何か空しかった

それを言葉にしただけ…




「猛、日が沈んだら、真っ暗になるんじゃなくて、月が昇るんだぜ?」

昇は、空を見たまま言った




月明かりか。

何だか昇は月明かりみたいだな。

俺を優しく癒してくれる。





「そうだな」

俺は自分の心に話しかけるように返事した。



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