夕暮れ
自分でもわかってる


はっきり拒めば
昇の目も
覚めるかもしれない



でも
なぜか
はっきり言えない



昇は親友

昇は…親友


親友なんだよ!?



俺の今の態度は
昇を縛り付けてる


虚像かもしれない

俺を好きという気持ちで

昇を縛りつけてる



「昇…誰か来たら、変に思われるよ」


「困る?」


「困る…だろ?普通…」


もうすでに困ってるし…。



「ごめん…猛」

少し昇の手が緩んだ
でも
手をまわしたままだ


窓が少しカタカタと音をたてた。


「風…キツいな…今日」
話をそらし
窓を見ながら
さり気なく
昇の手をほどこうとした



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