夕暮れ
陽菜のことは
いつも
彼女と別れるたび
思い出す


長い間
彼女がいない時にも
ふと
都合よく思い出す


陽菜とは付き合ってたわけでもないけど
男って
けっこう女々しいぞ


もし付き合ってたら…

なんてこと思いながら
ただ思うだけ
口には出さない

本気で思ってるわけじゃないから


ただ

思い出すんだ



甘い初恋の思い出


届かなかった気持ち



なりふり構わず
必死になれた恋のことを



誰かと別れるたびに
夕暮れをながめ

陽菜に失恋した時にみた夕暮れを思い出すんだ




そして

心にしみる終わった恋の余韻を
ほんのすこし味わう




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