夕暮れ
「ただいま。猛」

笑顔の昇


「おかえり!」



「…」

「え?どうした?」

「猛が、やけに嬉しそうだから」

「え?そうか?」

ヤバイ。
つい態度にでてしまったか




「論文の提出日だったから遅くなったんだ。お腹減っただろ?これ弁当」

目の前に
袋に入った弁当が差し出された


俺の好きなやつだ


「ありがとぅ~喰おうぜ」


すぐに
弁当をあける


「その様子じゃ、まだ食べてなかったな」


「おう!デートで帰って来なかったら飢え死にするとこだった」


箸を割りながら言うと
昇は少しキョトンとする


「そっか。デートね。しないとダメだな…」


そう呟く



「そうだよ。やっと好きな女出来たんだから。」
微妙な違和感を感じながら、明るくそう言った。


「好きな女ね…」


少し不機嫌そうな顔をした



「彼女連れて来る時は連絡くれたら帰るからな」

「ここには来ないよ」


今度は少し寂しそうに言う



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