夕暮れ
「あたし、違うの。だって…昇が…」

沈黙に絶え切れず発した言葉は
意味不明な何ともまとまらないものだった。

その言葉は
昇の神経を逆撫でした。


「俺が何だって?お前が悪いんだろ?俺と猛を騙して…」

昇は、口に出すのも嫌だと言うばかりに、言葉を飲み込む


「で、どうするんだよ。」

昇は陽菜を睨んだ


「昇が好きなの。ずっと前から好きだったの」

陽菜は叫んだ。



なぜ…?
ここまでしても昇なんだ?


さっき、俺が好きだって言ったじゃないか。

陽菜。



俺は、黙ってうつむいていた。


昇は、そんな俺をジッとみていた。



そして、俺の方に近付く。


< 19 / 238 >

この作品をシェア

pagetop