夕暮れ
眞奈は
昇が地元に向かうとき
乗せられたタクシーにいた。



今日くらい
朝まで居たっていいじゃない


ううん。
昇もそのつもりだったはず。




思いあたるのは
一度目にヤッタとき
『タケル』
と呟いたこと。



昔の噂は知っている

昔付き合ってた彼女が
昇と猛が付き合う為のフェイクにされたと
言い触らしていた。


実際付き合って
猛を最優先する昇がいた

でもいいの


そんなこと
どちらだって。



今のわたしは猛に敵わない



わたしは
時間をかけて
昇の中に…



眞奈は
タクシーの窓ガラスに映りこんだ
自分の目と目を合わせ
強い決意を胸に秘めた



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