夕暮れ
俺の知ってる猛は
ずっと陽菜をみていた


陽菜を想い
笑ったり
泣いたり
怒ったり



その対象が
俺になればいいのにって
ずっと
そう願っていた。




今目の前にいる猛は
俺の望み通りになってる


深い友情のもとに。




きっとそうだ。


友情だろ?





「眞奈と猛は別物だよ」


「どこが?」

まっすぐ猛の視線が突き刺さる。



「誰も友情と恋を混同しないだろ?」


そう答えながら
何かが噛み合ってない
そんな気がした。



「昇…俺が寝てる時、キスしただろ。何度も。」


「え?」

平静を保つ振りに全力を注いだ。

頭は真っ白。


まさか起きてたのか?



< 214 / 238 >

この作品をシェア

pagetop