夕暮れ
「ちゃんと言ってくれないとわからないよ」

俺が微笑むと
安心した様子で

「陽菜に会って…可愛いなぁ…って思ったけど…」

猛は息を整えるようにゆっくり話はじめた

「けど?」


「前みたいに…好きって感情はわかなかった。公園に居ても昔の事ばかり思い出して、今の陽菜に興味わかなかった。」

猛は
ぼーっと夕暮れを見ながら呟く


「そっか。」

ちょっとホッとしたのは
気付いてるかな?




「昇は?どうするんだよ?先輩とのこと。」


家の前を車が通り過ぎる音が聞こえた。
ここは住宅街で
あんまり車の通る道じゃない。


「眞奈が望んでるようには接することが出来ないな。最初に眞奈にもそれは伝えたんだけど・・・」

「俺のほうを優先させつって?よくそんなこと付き合う前に言ったな」

ちょっと呆れ顔の猛をみて
俺がまたおかしいことを言ってるのかと
今さら気がついた

「ゴメン。でも、俺やっぱ無理だよ。猛といるのが普通だし、楽しいし。」



「まあ。それは俺も同じだけど・・・」







それ以上、その話はしなかった。





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