夕暮れ
資料室の扉は
ほんの少し開いていた。

開けた力が強くて
勢いあまって戻って勝手に閉まった感じだ。


隙間から少し除く。


あ。昇だ。

奥には…

猛と…

3組の…

中野さん?

ふわふわの細い髪のよく似合う色白の女の子だ。


やだ!
中野さんと猛
やってる真っ最中じゃない!


「やめろって。」

昇が2人を引き離そうとして
ふと動きをとめた。

「お前…3組の中野さん?ふーん。君もこういうことするんだ?」


中野さんは乱れた服を直しながら下を向いた。




あれ?昇は相手が中野さんて知らなかったのかぁ。

じゃあ、中野さんは昇の好きな女の子じゃなかったんだね


ちょっと安心。


中野さんが服を直したのをみて、少しムッとした顔をして、猛が体を動かす。


「ちょっと猛く…ん…あ…あああ…あ…ん。」


激しく腰を振りながら
中野さんの制服をまくりあげる。


「猛。いいかげんにしろよ!」

猛は顔をあげ、昇を見つめた。

昇の顔はこちらから見えない。


「わかった。やめるよ。」

猛が言った。


服を慌てて直す中野さんに昇が

「前にもらった手紙の返事は言わなくてもわかるよね?」

と言った。




手紙ってことは…
中野さんは昇が好きでに告白したってことだよね?


あ…ヤバイ。
もう出て来るな。


わたしはまた、隣の部屋に隠れた。



隠れてすぐ、涙ぐんだ中野さんが、走って行った。



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