夕暮れ
小6の時

猛が俺に顔を赤くしながら言った。



「俺…陽菜が好きなんだ。」


それは

ただの恋愛話なんだけど

猛の中では
陽菜が一番なんだな
と悲しくなった。


それと同時に

自分の中のおかしな感情を確実に捕らえてしまった。



でも、猛はそうじゃない。




だから


「俺も陽菜が好きなんだ。」


そう言うしかなかった。






陽菜のことは好きだけど


猛以上ではない。





俺は嘘をついた。



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