夕暮れ
「俺さぁ、陽菜と付き合うことにしたよ。だからって気を使うなよ。お前は大事な幼馴染みだからな。」

そう言ったのは俺…ではなく昇だった。


俺はかなり動揺していたが

昇は気付かない。

「実は一週間前から付き合ってるんだ。一緒に勉強した時にそういう話になったんだ。」

昇は、イイ奴だ。

俺のことを
本当に友達だと思ってくれている。

俺もそう思ってるけどね…。


「そういう話って、やったのかよ?」

俺はニヤリとしながら、昇を見つめた。


昇は、顔を赤くして下を向いて言う。

「バカな事言うなよ。まだ何もしてなぃよ。」


まだ何も…

まだ…

今からやるってことか。



わからない。

一週間前て
あの草むらの一件からちょうど10日たったくらいだ。

だいたい
この一週間の間も陽菜は俺の呼び出しに応じていた。




どうことだ?


いくら考えても答えはでなかった。


< 8 / 238 >

この作品をシェア

pagetop