夕暮れ
「あ…あたし委員だから…その…資料を取りにきたの…ょ」

かなりタジタジの陽菜。


一体どこから聞かれてたんだ?

ヤバイだろ。


「じゃあ…早く取れば?」

初めの慌てぶりは何処へいったのか。
昇は顔色一つ変えない。

「うん。」
陽菜は気まずそうに入る。


資料を取ると、出口に向かう。

俺の顔をチラッと見る。


たぶん…誤解してるよな



昇の前まで来ると

足を止めて昇を見つめた。


「何?」

昇は面倒な感じでいう。


「わたし見てたのよ」


「そう。で?言いふらすの?」


「いいの?」



「誰も信じないだろうけどね。」

昇がシレッとした顔で答えると
陽菜の顔が赤くなった。

「言うから!」
陽菜はそう言うと出て行った。
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