夕暮れ
「たっけるくぅ~ん!」
その場違いな叫び声とともに昇の部屋の戸が開く。

昇のおばちゃんだ。


おばちゃんは、ドアの前で止まる。


「仲良く停学になって、なにくっついてるのよ。」


「停学は昇だけだよ」

さり気なく昇から離れようとすると昇に手を引っ張られたので、仕方なくその場に座る。


「で?なにしてるの?」

「おばちゃん…昇が俺にキスしようとするんだよ」


俺の手を握る昇の手がビクッとしたのが分かった。


それがおかしくてプッと噴出してしまった。


おれにつられて、おばちゃんも笑う。

「確かに猛くんてかわい~もんね♪いつでもお嫁に来てね♪」



おばちゃんのこんな反応に
昇が今度はホッとしてるのがわかった。



「昇にずっと彼女が出来なかったら一緒に住んでやるよ」


俺はチラッと昇の目を見ていった。



「うちの昇に限ってモテないことはないょ」

おばちゃんはまた笑う。


笑いながら

ジュースとお菓子を置いて出て行った。
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