僕のお姉ちゃん
「ゆう、寝ているの? レストランに行くから、早くなさい」



母さんの声に、目を開く。

……留学を告げられた時の夢なんて、初めて見たな……

そう思って、初めて寝てしまっていたことに気づく。



と、同時に、姉貴が家に帰ってきていることを思い出した。


「それでレストランに……」


正直、行きたくない。というより、姉貴の顔を見たくない。



恐怖はまだ、体に生々しく残っている。


俺はまだまだ弱いらしい。
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