僕のお姉ちゃん

「悠、早く起きなさーい！」


下から、母さんの声が聞こえてくる。


「起きてるよ……」


小さくつぶやきながら、なるべくゆっくり階段を下りた。



「おはよう、悠」

「……おはよ」


姉貴は、いったいいつまでこっちにいるのだろう？


まだ留学の途中のはずなのに……なんで戻ってきたんだ……？



「あ、お母さん」

「なぁに？」

「今日の昼間に、荷物が届くと思うから」

「あぁ、わかったわ」



荷物……って、まさか。



「ねぇ、荷物って……」

「お姉ちゃん、早めに留学を切り上げてこっちに戻ってきたのよ。昨日言わなかった？」

「聞いてない、けど……」

「あらそう。まぁ、これからはずっとこっちにいるのよ、ね？　お姉ちゃん」

「うん」



姉貴と、また一緒に暮らさなきゃいけないのかよ……！

俺は……どうすればいいんだよ。