僕のお姉ちゃん
「……ごちそうさま」

「ぜんぜん食べてないじゃない!」

「食欲ないんだ、ごめん」

「もうっ……!」



隣に姉貴が座ってると、食べる気なんかしないよ。

同じ空気を吸ってると思うだけで、

同じ屋根の下に住むと考えるだけで、

吐き気がする。


ほら、やっぱ姉貴なんか嫌いだ。





「いってきます」

「あ、待って悠! 一緒に行きましょ?」



無視だ、無視。


俺はなるべく早足で歩く。

それでも姉貴はついてくる。


ついてくるなよ。


口から零れ出そうになった言葉を、慌てて飲み込む。


無視だ、無視……。

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