僕のお姉ちゃん
「姉貴と俺は、8歳年の差があるんだ」

「うん」

「……俺が7歳のときだったんだ…」



何も隠さずに、すべて話した。


姉貴に襲われたこと

1年後、姉貴が留学したこと

2年も早く、姉貴が帰ってきたこと

まだ、姉貴はあの頃のまま、だということ……


桜野は、真剣に俺の話を聞いてくれた。





「……辛かった、よね? 悠」


俺が話し終わったとき、桜野はそう尋ねてきた。

俺は、素直にうなずいた。


「そりゃ、そうだよね。仲良かったら、なおさらだよ」

「……裏切られた気がしたんだよ、なんか。お姉ちゃんが、僕にこんな怖い思いさせるなんてって……暗闇でわけのわからないことされたから、7歳の俺は、すっご怖くて」

「今まで、誰にも話さなかったの? 親にも?」

「話せなかったよ。姉貴に襲われた、なんて」

「なんで、私に話してくれたの?」

「桜野は、俺を助けてくれたからだよ」

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