僕のお姉ちゃん
「え、ちょっ……桜野!?」



俺、何か変なこと言ったかな……

泣かせるようなこと、言った……?



「……あ、ごめんっ! な、なんでもないから、気にしないで!」

「でもっ……」


なんでもないって、ありえないでしょ?


「いいから! 気にすんな、悠!!」

「桜野……」


無理に笑ってるって、わかる。

いつもの、さばさばした笑顔じゃないから。

いつもの、男勝りの桜野じゃないから。


……俺、無意識のうちに桜野を傷つけたのかな……。



「悠!」

「……っえ?」

「ありがとって言うならさ」

「あ、あぁ……」


「春って、呼んでよ!」



……春は、俺がわかったとうなずくと、やったぁと喜びながら



すごく、切ない笑みを浮かべた。
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