僕のお姉ちゃん





「……悠? 目が覚めた?」

「母、さん……?」



一瞬俺と姉貴のことがばれたかと思ったが、そのわりに母さんはきょとんとしているのでばれてはいないのだと悟り、少し安堵する。


……それにしても。

どうして俺、ベッドの上にいるんだ……?



「悠、熱があるのなら朝言いなさいよ。無理して学校に行くから悪化するのよ?」

「……ごめん、なさい」


学校じゃなくて、春の家だけど。


「もう……心配したんだからね。帰ってきたら、すごい熱で倒れているんだもの。お姉ちゃんがいなかったから、私1人で頑張ってベッドまで……」



姉貴、どこいったんだ……?


熱の弟ほったらかしにして……ばれるのが怖くて、逃げたとか?

というか、あのキスの後……



「いっ……!」

「どうしたの? 大丈夫?」

「う、ん……平気」

「そう? じゃぁ、ちょっとおかゆ作ってくるから、寝ていなさいね」

「はい……」





体を少し動かしただけで、腰に走った激痛。
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