僕のお姉ちゃん
「……姉貴」
「見つけたときには2人とも気を失っていて、びっくりしちゃったわよ。すぐに救急車を呼んだの。春ちゃんには、ちゃんと応急処置したのよ? 私、留学中に向こうの看護学も学んできたから」
今日はやけに綺麗な仮面だ。
なんで、なんで……
「傷つけといて、助けたんだよ?」
「……なんのこと?」
「しらばっくれるなよ。姉貴だろ? 春を誰かに襲わせたのは。あいつのこと、憎んでるんだろ? なのになんで……」
「……悠の悲しむ顔は、見たくないもの」
……は?
「私は悠を私から奪おうとしているあの子が憎いの。だから、知り合いに頼んで襲わせた。性欲にまみれた醜い男たちに。そして……殺させた。でも、殺ってから、ハッとしたの。私の大切な人が悲しむじゃないって。でも急に頭が真っ白になって、何もしないまま逃げたの。そしたら、あなたが家に入っていくのが見えて……恐る恐る戻ってみたら、2人とも気を失っていて、悠まで涙を流してて……目が覚めて、救急車を呼んだの」
自分勝手って、そういうことをいうんだ。
自分で俺や春を傷つけといて、急に助けるなんて。
今まで、俺は何回泣いてきた?
姉貴の前で、何回も泣いてきただろ。
「見つけたときには2人とも気を失っていて、びっくりしちゃったわよ。すぐに救急車を呼んだの。春ちゃんには、ちゃんと応急処置したのよ? 私、留学中に向こうの看護学も学んできたから」
今日はやけに綺麗な仮面だ。
なんで、なんで……
「傷つけといて、助けたんだよ?」
「……なんのこと?」
「しらばっくれるなよ。姉貴だろ? 春を誰かに襲わせたのは。あいつのこと、憎んでるんだろ? なのになんで……」
「……悠の悲しむ顔は、見たくないもの」
……は?
「私は悠を私から奪おうとしているあの子が憎いの。だから、知り合いに頼んで襲わせた。性欲にまみれた醜い男たちに。そして……殺させた。でも、殺ってから、ハッとしたの。私の大切な人が悲しむじゃないって。でも急に頭が真っ白になって、何もしないまま逃げたの。そしたら、あなたが家に入っていくのが見えて……恐る恐る戻ってみたら、2人とも気を失っていて、悠まで涙を流してて……目が覚めて、救急車を呼んだの」
自分勝手って、そういうことをいうんだ。
自分で俺や春を傷つけといて、急に助けるなんて。
今まで、俺は何回泣いてきた?
姉貴の前で、何回も泣いてきただろ。