僕のお姉ちゃん
*・*・*・*・*
いろいろなことがわずかな日数の中で起こりすぎた、14歳。



今では、冷静に思い出せるくらいになった。

……少しは、「僕」でなくなることができたのかな……?










「悠!」

「……春」



後ろから聞こえた、春の声。


咲き誇る桜から、ものすごいスピードで駆け寄ってくる春に視線を移すと、自然と頬が緩む。



「おはよっ!」

「おはよ。お前なぁ、もう少しスカートはいてるって自覚を持てよ。下着見えるぞ、そんな走ったら」

「だーいじょうぶ! 下に短パンはいてるから」

「……はぁ」

「あ、なによそのため息と呆れ顔は!」



春もすっかり元通り。


変わったのは……髪型? くらい。

ショートだったのが肩くらいまでのセミロングになって、いつもサイドで束ねてる。


見た目変わったのに、中身は変わらないってのが春らしいから、それはそれでいいかもしれない……?



あと、それから……
< 54 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop