僕のお姉ちゃん



授業中、集中なんて言葉はまるで浮かんでこなかった。


姉貴と春のことばかりが、俺の頭を支配していた。



確かに、おかしくなる前の姉貴と、春は少し似ていたような気がする。

なんとなく、だけれど。


容姿はまるで似てない。

姉貴は俺の記憶の中ではずっと、黒髪でロングのストレートヘアだから。


だけど、活発で少し抜けているのは、以前の姉貴にも春にも共通するところで。



「……、もし」



もし姉貴が、すっかり元に戻っていたとすれば、確かに2人は馬が合うかもしれない。


これを春に教えるべきか、



「黙っておく、べきか……」
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