僕のお姉ちゃん
「えっちょっ……悠?」

「少し、こうさせてくれ」



今は、すがる人が春しかいない。

いや、今だけじゃなく、ずっとそうかもしれない。


そんなことを考えながら、俺は春を抱きしめた。


怒りのせいで力が強くならないように、落ち着いて。





そっと、春から離れた。



「悠? どうしたのよ、いきなり」

「春」

「なに?」



春、君だけなんだ。



「俺と一緒に、姉貴を探して」



……あの人を、そんなに思ってくれるのは。
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