僕のお姉ちゃん



瞬間


頬に強い痛みが走った。



「なっ・・・・・・、!」

「悠!?」

「・・・・・・ふざけるな、姉貴を泣かせるな!!」



血の味がしたけど、そんなの気にしてられない。


今は姉貴を

守らなきゃ。



「はぁ?こんなひょろいの、お前の弟なわけ?」

「姉貴は殴るな。俺はどんなに殴ってもいいから」

「悠っ、だめ、だめよ・・・・・・っ」

「姉貴を、傷つけないでくれよ!」



俺は必死に叫んだ。

男がシスコン、って笑ったけど、別にいい。



僕は、お姉ちゃんが好きだよ。



その気持ちは何度も揺らいだけれど、

今はちゃんと

胸の奥に、あるんだから。
< 95 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop