僕のお姉ちゃん

「じゃ、遠慮なくー」



男の笑い声とともに、鈍い音、鈍痛。


一気に音が消えた気がした。

視界が揺らいで、顔をゆがめた姉貴がぼんやりとしか見えない。



「ごめん、ごめんね悠っ」



ふいに、姉貴の涙声が聞こえた。



「いっぱい傷つけて、なのに守れなくて」

「私、あなたのお姉ちゃんなのにっ・・・・・・!!」



手に、ぬくもりを感じて



「もっと、謝らなきゃ・・・・・・っ」



もういいよ、姉貴。

早く逃げて。

春と一緒に、遠くに逃げて。



「死なないで、私のためになんか、死なないでよ・・・・・・っ」



ゆう、!!






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