僕のお姉ちゃん
「春、警察とか、呼んでくれたの?」
俺がここにいるってことは、きっと誰かが助けてくれたってこと。
俺の問いに、春は頷いた。
「うん。もう無意識で、警察と救急車呼んだの。私、それ以外あの場で何もできなくて・・・・・・っ」
ふいに涙目になった春。
正義感が強くて、優しくて。
助けを求めてくれただけで十分なのに。
「大丈夫だよ、春」
「悠、っ」
「春が呼んでくれなきゃ、俺も姉貴も、もっと怪我してたよ。それに俺は、春にまで傷ついて欲しくなかったから」
俺は言いながら、春を抱きしめた。
泣き笑いみたいな声で、春はありがとう、っていってくれた。