【完】アップルパイ。~先生ト不良少女ノ恋~
「この怪我は同じチームのヤツらにやられたんだ」
「何で同じチームなのに…!」
先生は不満そうだ
「あぁ。ウチの掟は“同じチームのヤツは殴らない”だ
でも、この掟が許されるときが来る。
それは今日みたいな…
同じチームのヤツが抜ける時だ」
「…」
大ちゃんは黙ったままだ
きっと昔の事を思い出しているのだろう
「同じチームのヤツが抜ける時
そいつはすでに“見方”じゃない“敵”だ
だからそいつを殴って、蹴る」
「…っ!」
先生は眉間にしわをよせている
「それが怖くて、抜けたくても抜けられないヤツもいるだろう
あたしも実際…
抜けたいというやつを殴って蹴っていたから…」
「そうですか…」
先生は机にひじをつき頭を抱えている
「でもね、先生。
あたし不良ホントに辞められたんだよ
明日からはちゃんと学校に行くから」
あたしは先生に笑顔をみせた
その瞬間
先生の目から涙がこぼれた