【完】アップルパイ。~先生ト不良少女ノ恋~
それから2週間あたしは入院した
拓海が死んだ実感は全然なくて、拓海が死ぬっていう心の準備はしてたけど、いざというとあたしはダメダメで、本当に情けない
でも2週間の間に、心愛はすくすく育っていった
だけど、2週間の間に決めることはたくさんあった
そして1番の決め事…
「拓海のお葬式だけど…愛ちゃんも出るでしょう?」
「もちろんです。お葬式ですが、そんなに盛大にしたくないんですけど…」
「えぇ。私もそう思っていたのよ。じゃあ後の事はあたしがやっておくわね」
「すいません。よろしくお願いします」
あたしは軽くお辞儀をした
「いいのよ。じゃあ残り3日安静にしてるのよ」
「はい。分かりました」
「ふぅ………」
あたしはため息をついた
拓海が死んでも世界は回る。
当たり前のように朝は来て、当たり前のように夜は来る
それが憎たらしくてしょうがなかった
「何か…拓海が死んだと同時に世界も終わったみたい…」
あたしはそう呟いた