俺様彼氏
何度もみてきたんだ。泣き叫ぶお母さんの姿を…。
「私…。かえるよ」
私があんなことを言われるのは当然なのかもしれない。
私は望まれて生まれてきたわけではないから…。
「ヒック」
こんなことで泣いちゃうなんて弱くなったなー。
あの時で鍛えられたとおもってたのに…。
私は、「わたし、帰るよ」と言ってその場をかけだした。
私があそこにいる意味はなかったんだ…。
そう思いながら、おぼろな足取りで、私は二時間かけて家えと帰った。
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「ただいま…。」
家の中に入ると、すごくにぎやかだった。
私が居たときでも、こんなに賑やかだったことはないだろう。
「お母さん!ただいま!」
私の突然の登場に、みんなは驚いたようだった。
でも、お母さんの顔つきが変わった…。
「なに?あんただれ?」
「へ?」
お母さんは、まるで昔のお母さんのようだった。
「それよりあなたー。よりもどしましょうよ。」
私に鋭い視線をおくるお母さん、朝のお母さんとはまた別人のようだった。