俺様彼氏
とりあえず、ちょっと元気になった…かな…。
「いたっ!!…姉貴!!」
元気になりかけた時だった。
「え?」
さきほどまで家でいた弟が、私を見つけて走ってきた。
…やだ…。さっきの事思い出しちゃったよ…。
「姉貴!!…あの?どなた?」
私にかけよってきたが、優雅くんに気づくと、ぴたっと止まった。
「ちょっと…。はずしてくれますか。」
いつもなら、「かれしー?!ま、姉貴に彼氏はできないかー」とかからかうこいつが、やけに真剣だ。
実はおまえのこと嫌い…とか?
嫌!そんなの嫌だ!
「とりあえず、姉貴。話がある。」
それか、あのお母さんは二重人格とか?
それも嫌だ!
「早くしろよ。三分で終わらなかったら殴るからな」
睨みながらいうから、優雅くん怖いです…。
ざっ
優雅くんが歩くたびに、砂の音がした。
優雅くんの背中がとおのいっていくたびに、胸がずきんとした。
…な…なに?
胸の痛みの原因が分からなかったけど、とりあえずこいつと話をすることに。